江戸時代が初舞台
「こいつぁ春から縁起がいいわぇ」とは、歌舞伎の演目「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)の名セリフで、この場面の設定は節分の夜です。四季の情感も豊かに盛り込まれた、日本が誇る伝統芸能「歌舞伎」はユネスコの無形文化遺産にも登録されています。2月20日は、その発祥といわれる出雲阿国(いずものおくに)という女性が1607年に江戸城で徳川家康らに初めて歌舞伎踊りを披露した日で「歌舞伎の日」と定められました。初披露からこれまで、少しずつ形を変えながら受け継がれ、現在の歌舞伎スタイルとして定着していきました。
自由な視点で見つける魅力
時代を超え愛されている歌舞伎ですが、その世界観は「ちょっと難しそう」というイメージがあるかもしれません。でも実は歌舞伎は日本独自の伝統文化の魅力をギュッと詰め込んだエンターテイメント。三味線や太鼓などの和楽器を奏で、演じ踊る女方(おんながた)の所作、艶やかさは現代にも通じるジェンダーレスな美しさです。大袈裟な隈取りもメイクテクニックと見ればとても斬新なもの。素朴な興味から歌舞伎を観ると思わぬ発見があるかもしれませんね。